入浴介助とはどんな介護?入浴介助について詳しく解説します

入浴介助は高齢者を介護する際に必要な介助であり、様々な介護の中でも特に重労働なので体力と根気が必要になります。

 

近年では超高齢化社会が深刻になっている中、自宅で入浴介助が必要なケースも多くあるでしょう。

 

今はまだ介護が必要でなくても、将来的に必要になった時のために入浴介助がどんなものなのか知っておく必要性があります。

 

また、中には怪我や病気などで自力で入浴するのが難しいケースもあるでしょう。

 

事前に必要なものを準備して、入浴介助の一連の流れやポイント、注意点などを知っておけば、その時になって混乱することもなくなります。

 

それでは、入浴介助とはどんなものなのかご説明しましょう。

入浴介助とは?

入浴介助とは、その名の通り高齢者等の自力で入浴が難しい人に対して入浴のサポートを行う方法です。

 

入浴介助を行う目的は、「身体を清潔にして感染症を予防すること」「心身機能を高めてリラックスすること」です。

 

自力で入浴ができなくても関係なく身体は汚れていくため、本人にとって肉体的にも精神的にも辛い状況になります。

 

入浴の介助が必要な人には個人差があるので、お風呂場まで連れていくだけでいい人や、入浴中も介助が必要なケースもあるでしょう。

 

転倒や意識を失うこともあるため、決して本人から目を離してはいけません。

 

入浴介助を行う時は、皮脂汚れや細菌などを洗い流して清潔にすることが大切です。

 

身体を綺麗にするだけでなく、全身の状態をくまなくチェックできるので、キズや内出血などを早期発見して対処できます。

 

また、入浴で身体を温めることによって、心身共にリラックスできるのもポイントです。

 

身体が温まることで血液循環が促進されれば新陳代謝が高まりますし、筋肉の緊張をほぐすことで関節痛などの痛みを和らげることもできます。

 

さらに、副交感神経が優位になることでリラックス状態になるため、睡眠の質を上げることも可能です。

 

身体が綺麗になった爽快感や、お互いにコミュニケーションを取れる場所でもあります。

 

このように、入浴介助は心身共に日常生活を気分良く過ごすために大事な介護だと言えるでしょう。

入浴介助の準備物

入浴介助を行う際に準備するものは、以下の通りです。

 

  • タオル
  • 着替え
  • ボディソープまたは石鹸
  • スポンジやボディタオル
  • 入浴補助用具
  • 保湿剤や処方されている軟膏、爪切りなど
  • エプロン
  • ゴム製の滑りにくい靴
  • 手袋

 

タオルは身体を早く拭くために、大きくて吸収性が高いものを選びましょう。

 

着替えを用意する時は、必要に応じておむつや尿取りパッドも用意しましょう。

 

より短時間で身体を洗いたい場合は、石鹸よりもボディソープの方が早く泡立つのでおすすめです。

 

刺激に弱い敏感肌、デリケートな肌の場合は、肌触りが良く、柔らかい素材のスポンジやボディタオルを使いましょう。

 

転倒防止などのために、シャワーチェアや転倒防止マットなどの入浴補助用具を用意する必要があります。

 

保湿剤や医師から処方されている軟膏は入浴後の清潔な肌に塗っていきます。

 

そして介助をする人は濡れないように水をはじく素材が使われたエプロンや手袋を着用し、転倒しないように滑りにくい靴を履いて介助しましょう。

入浴介助のポイント

入浴介助のポイントは、以下の通りです。

 

  • 声をかけながら行う
  • 介護者の体調チェックをする
  • 浴室と脱衣所を温めておく
  • 入浴前に十分な食事と水分補給を行う
  • 湯船に浸かる時間は短めにする

 

それでは、入浴介助のポイントについてご説明しましょう。

声をかけながら行う

入浴介助で大切なのは、介護者に声をかけながら介助することです。

 

介助において大切なのは介護者とのコミュニケーションであり、会話がなければ生まれるはずの信頼関係も生まれにくくなります。

 

お湯をかける時や身体を洗う時、湯船に入る時や出る時など、様々な場面で声をかけることで介護者は安心して任せられると思ってくれるでしょう。

 

介護者に何も話さずに淡々と介助しているようでは、まるで機械に介助されているようで落ち着きません。

 

次第に「この人に介助されたくない」などと言われかねないでしょう。

 

介護はコミュニケーションを取ってこそ信頼関係が生まれるため、どんな時でも笑顔で優しく声をかけることが大切です。

介護者の体調チェックをする

入浴介助を行う前に、介護者の体調チェックを必ず行いましょう。

 

入浴介助は必ず行わなければならないものではありません。介護者の体調が良い時に行うのがベストです。

 

入浴は血行を促進してくれるものの、体調が悪い時に入浴すると血行促進が仇になってしまい、思わぬ体調不良を引き起こす可能性があります。

 

事前に体調が悪くないか声をかけたり、呼吸や表情、体温チェックなどを行ったりして、入浴しても大丈夫なのか確認しましょう。

 

体調が悪い場合は決して入浴させないようにして、ぬるま湯で濡らしたタオルで身体を拭くのもおすすめです。

 

浴室と脱衣所を温めておく

 

入浴前に浴室と脱衣所を温めておくのも忘れないようにしましょう。

 

これは、介護者がヒートショックを起こさないようにするための対策です。

 

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動すると、ショック症状を引き起こしてしまう現象です。

 

このヒートショックを引き起こさないようにするには、暖房器具で脱衣所を温め、浴室はシャワーのお湯で壁を濡らして温めて、急激な温度変化を起こさないようにしましょう。

 

特に冬場はヒートショックを起こしやすいため、必ず温めましょう。

入浴前に十分な食事と水分補給を行う

 

入浴すると水分不足や血糖値の低下などを引き起こす可能性があるので、入浴する前にお互いに十分な食事と水分補給を行いましょう。

 

浴室は高温多湿なので、食事や水分補給を怠るとめまいや低血糖、貧血気味になる可能性があります。

 

もちろん介助する人も同じ状態になる可能性があるので、入浴する前にしっかりと食事や水分補給を行いましょう。

 

なお、食後の入浴もおすすめしません。食後は消化器官が活発になっているため、入浴によって血行が促進されると消化不良になる可能性があります。

 

食後に入浴するのであれば、30分~1時間ほど経ってから入浴しましょう。

 

湯船に浸かる時間は短めにする

 

湯船に長時間浸かるのは、のぼせやめまい、熱中症や脱水症状の原因になるので、湯船に5分程度浸かるようにしましょう。

 

長時間湯船に浸かるのは大変危険なので、特に高齢者の入浴は時間を意識することが大切です。

 

入浴介助の方法

 

入浴介助を行う時は、基本的に以下の手順で行いましょう。

 

  1. 床や椅子など、肌が触れるところにお湯をかけて温めておく
  2. 足元に注意して椅子に座ってもらう
  3. 介護者がお湯の温度を確認し、声をかけてから本人にも確認してもらう
  4. 適温が確認できたら、声かけをしながら足元からゆっくりお湯をかけていく
  5. 髪→顔→上半身→下半身の順に優しく丁寧に洗い、流し残しがないようにしっかりとすすぐ
  6. 全身を洗い終えたら、手すりにつかまってもらうか身体を支えて、ゆっくりと浴槽に入ってもらう
  7. 足元に気をつけながら、ゆっくりと浴槽を出る

 

基本的に相手の体調を伺いつつ、気持ちよく入浴してもらうように心がけることでスムーズに介助ができるでしょう。

入浴介助の注意点

入浴介助の注意点は、以下の通りです。

 

  • 自分は介護者ができない部分をお手伝いするだけに留める
  • プライバシーを配慮する
  • 転倒しないように注意する
  • シャワーを直接当てない

 

それでは、入浴介助の注意点についてご説明しましょう。

 

自分は介護者ができない部分をお手伝いするだけに留める

 

介護者にもプライドを持っていたり、恥ずかしさなどを感じたりすることがあります。

 

入浴介助が必要な人でも、自分である程度の入浴ができる人もいれば、介助がなければ満足に入浴できない人もいます。

 

もしも介護者が自分である程度入浴できるのであれば、介護者ができない部分をお手伝いするだけに留めましょう。

 

作業のようになってしまうかもしれませんが、自分でできる範囲も介助されてしまうとプライドを傷つけてしまったり、恥ずかしくてたまらない思いをさせたりしてしまいます。

 

プライバシーを配慮する

 

いくら介助が必要でも、介助者以外の目があるところで服を脱いだり入浴したりするのは気分が良いものではありません。

 

介護者に気分よく入浴してもらうためにも、プライバシーに最大限配慮しましょう。

 

転倒しないように注意する

 

脱衣所や浴室はとても滑りやすいので、対策をしないと転倒する危険性があります。

 

床を拭けば転倒しないかもしれませんが、頻繁に床を拭いている暇がない時のために転倒防止マットを敷いて転倒対策をしましょう。

 

シャワーを直接当てない

 

介助者に直接シャワーを当ててはいけません。

 

刺激に耐えられる皮膚ならまだしも、高齢者の皮膚は基本的に皮膚の表面が薄くなっているので刺激に弱くなっています。

 

そんな状態でシャワーを直接当てると、水圧で身体に大きな負担をかけてしまうでしょう。

 

シャワーをかける時は、介助者の手を介して優しくかけ流すように身体を洗ってあげるのがおすすめです。

 

入浴介助後に行う事

 

入浴介助を行った後は、吸収性が高い柔らかいタオルで足の裏まで全身を優しく拭き、介護者に負担をかけないようにゆっくり着替えていきます。

 

必要に応じて保湿剤、軟膏を塗るのを忘れないようにしましょう。

 

そして、お互いにしっかりと水分補給をしてから、入浴前と同じように体調のチェックを行います。

 

何も問題がなければ、全ての工程は終了です。

 

まとめ

 

入浴介助は介護者も介助者もお互いに体力を使うので、事前の準備や入浴介助の流れ、注意点、ポイントなどを知ることが大切です。

 

介護者に最大限の配慮をしながら準備をしておかないと様々なトラブルに繋がるので、しっかりと準備しましょう。

 

特に食事や水分補給、転倒防止対策など、できることは全て対策することが重要です。